大堀相馬焼は約350年前、相馬藩の治める浪江町大堀地区(旧大堀村)を中心として発達した焼物です。地元でとれた陶土で茶碗をつくり、駒絵を描いて売り出したのが発祥とされています。1978年に「大堀相馬焼」として国の伝統的工芸品の指定を受け、2010年1月には「大堀相馬焼」として地域団体商標登録を取得しました(登録第5295759号)。2011年3月の東日本大震災の影響により、町内に20軒以上あった窯元は各地へ避難を余儀なくされましたが、約半数がそれぞれの場所で再建を果たしています。
手間暇かけて作られる大堀相馬焼は、冬に冷え込む東北の地で「より長い時間あたたかい物が飲めるように」との思いが込められており、長い時を経た今も家族の食卓をあたたかく彩ります。
大堀相馬焼
について
大堀相馬焼の歴史
大堀相馬焼の特徴
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御神馬
浪江町周辺をかつて治めていた相馬藩の「御神馬」が描かれています。狩野派の筆法といわれる熟練の筆使いによって颯爽と走る姿は、昔から縁起が良いものとされてきました。
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青ひび
器全体に貫入(かんにゅう)と呼ばれる「青ひび」が拡がっています。素材と釉薬との収縮率の違いから生じる「ひび割れ」を利用した模様で、ひびが入るときに出るキラキラとした音は 「うつくしまの音 30景」にも選ばれるほど繊細で美しいです。
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二重焼
大堀相馬焼の代表的な特徴とされるのが二重焼です。入れた湯が冷めにくく、手に持っても熱くない優しい設計。人々が使いやすいように創意工夫が重ねられた結果、生み出された独自の技法です。